※更新あり
[コンプガチャ問題]
最近巷では、ソーシャルゲーム会社の「コンプガチャ」についての消費者庁の対応が話題になっていますね。
日経新聞「ソーシャルゲーム各社の“自主規制”を促す消費者庁、来週にも「コンプガチャ」違法見解」
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A90889DE6E3E3EAE7E0EAE2E2EBE2E7E0E2E3E0E2E2E2E2E2E2
既に各社がコンプガチャを自主的に廃止する方向で問題は収束しているようです。
そもそも、このようなソーシャルゲーム上のカードが景表法の「景品」にあたるかどうかがまず問題になるのでしょうが、おそらく利用者の感覚からいえば、電子的なものであろうがなかろうが、景品的な感覚として大きく変わらないことは間違いないでしょう。
そして、景品にあたるとすれば、カード合わせの禁止に該当するとの報道がされています。
しかし、各報道機関やネット上の記事をみても、具体的な条文などが出てこないため、一応ここに載せておきます。
更新1:「コンプガチャ」は景品表示法違反/消費者庁(YOMIURI ONLINE)
本日、消費者庁が7月①日以降に措置命令の対象とする見解を示しました。
18日午後から見解と運用基準が公表されるようです。
更新2:「カード合わせ」に関する景品表示法(景品規制)上の考え方の公表 及び 景品表示法の運用基準の改正に関するパブリックコメントについて
消費者庁が詳しい考え方を公表しました。PDFは「こちら」。
「景品類」にも当たるうえ、告示の禁止事項にも該当するとの見解です。告示の改正案も示しております。有料ガチャ自体は景表法違反ではないと書かれています。
[条文]①不当景品類及び不当表示防止法(いわゆる「景表法」)
(景品類の制限及び禁止)
第三条 内閣総理大臣は、不当な顧客の誘引を防止し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を確保するため必要があると認めるときは、景品類の価額の最高額若しくは総額、種類若しくは提供の方法その他景品類の提供に関する事項を制限し、又は景品類の提供を禁止することができる。
以上の景表法3条による、懸賞による景品類の提供に関する事項の制限に関する「告示」(法令じゃありません)がこちら。カード(絵)合わせに関するのは第5項です。
②懸賞による景品類の提供に関する事項の制限(告示)(告示:昭和五十二年三月一日公正取引委員会告示第三号、変更:平成八年二月十六日公正取引委員会告示第一号)
【第5項】
前三項の規定にかかわらず、二以上の種類の文字、絵、符号等を表示した符票のうち、異なる種類の符票の特定の組合せを提示させる方法を用いた懸賞による景品類の提供は、してはならない。
そして、景表法第3条に違反した場合の規定は同じく景表法に定めがあり、6条の内閣総理大臣による措置命令がなされ、それに従わない場合には、15条による2年以下の懲役又は300万円以下の罰金が課せられることになります。
[返金の可能性]
ネット上の記事をみていると、コンプガチャが違法である場合に、「契約が無効となり、多額の返金がなされる」といった趣旨のことを書かれているものがあります。
まず、景表法上の違反の効果は上で書いたとおりであり、自主的に廃止する以上、懲役や罰金の可能性はありません。
では、私法上の契約が無効になるのでしょうか。
基本的に景表法は取締規定であって、これに違反したからといって契約が無効になるわけではありません。
もちろん、効力規定・公序良俗違反・錯誤その他の場合に無効になる場合もあるわけですが、今回の場合は景表法もグレーな部分であったわけですし、社会的なインパクトも大きいため、無効になる可能性は小さいと思います。
返金については、南堀江法律事務所のこちらの記事が詳しいので、御覧ください。
特にボクはこの件について強い関心がある、というわけでもないので、情報提供ということでこのへんで終わりたいと思います。
↧
【ニュース】ソーシャルゲームのコンプガチャの規制に関する条文(更新2)
↧